審判部に物言い

      土俵中央で手をつきかけているのが負けた安美錦。右は正面解説の春日野親方

 これで物言いさえつかない不思議な誤審。手を挙げないのは審判の眼に栃ノ心が優勢に見えたからではない。相手の安美錦は伊勢ヶ浜部屋の力士である。伊勢ヶ浜部屋は強い力士を多く抱えているが、親方まで強いわけではない。貴乃花北の湖の後継者と目されていた頃はまだ良かったが、御大の急死、さらに理事長改選選挙で敗れた貴乃花側についたことで自らの道まで閉ざしてしまった。一方栃ノ心はというと、師匠が協会№3 の広報部長春日野である。軍配が栃ノ心に上がったのであればへたに騒ぎ立てない方が利巧なのだという心理が各審判に働く。安美錦栃ノ心にではない、協会 №3春日野に負けたのである。よりによってこの日、NHKで解説をしていたは春日野だった。声は笑福亭鶴瓶に似ているが、顔は獰猛な土佐犬そのものだ。勇敢なアナウンサーが「安美錦が有利に見えた」と云っていたが、土佐犬はウーともいわない。スロー再生の映像が流れて栃ノ心が先に土俵を割ったのは一目瞭然にもかかわらずである。審判部と、春日野親方と、それから誤審を記事にしないマスコミにも物言いをつけたくなる夏場所二日目の一齣だった。
     土俵中央で手をつきかけているのが負けた安美錦。右は正面解説の春日野親方

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