シャンソンデビュー

 T. S様、今年も和歌山へは行けそうにありません。『鬼門の春’17顛末記』読んで戴けたでしょうか?  337本 あったトマトの木が、出荷を始めて二週間でもう119 しか残っていません。萎凋病です。最初は広がりを防ぐため処分していましたが、追いつかず、今は残り一本にまで疫病が広がり、私を楽にしてくれるのを待つ日々です。思い出すのは『K子様』の最後の方の文言です。
 ≫でもトマトには本気です。トマトも同じ気持ちです。ロミオとジュリエットの物語のように環境が整わないだけです。
 私とトマトとの相性の良さを語ったのでしたが、穴があったら入りたいです。萎凋病に戻りますが、病因ははっきりしません。多肥が犯人にされがちですが、もしそうなら二十七年版はどうなるんでしょう。施肥量は今年の倍、ですが萎凋、青枯等の病気はでていません。腐敗果が多かったので翌年大幅に減肥しましたが、それでも灰色かびに罹っています。しかも小つぶで、枝葉には勢いがなくこのまま赤くなったらどうしょうと思ったくらいです。では今年のトマトに収穫は無かったのでしょうか ?  あります。美しいトマトが多かったことです。50㎝の高畝が利いたのでしょう、大雨の後でも割れが殆どなく、不思議なことに大きなトマトほど疵一つなく美しいのです。デメリットの部分のみ云われますが、枝が太いくらいでないとトマトは大きくならないと私は信じています。でしたら尚のこと減肥は勇気のいることですが、これだけ痛い目にあうと何でもやってやろうという気になります。有機肥には健康的なイメージがあるが、人には健康的でも野菜にとってはどうだろう。鶏糞は追肥に止め、それも水に溶かして液肥にしてみよう。化学肥料が救いの神になれるか、これから勉強してみます。堆肥とカルシウム、土壌消毒。利益が上がらないから安い鶏糞を買って、不良果を出して市場で叩かれるという負の連鎖から、来夏は卒業したいです。
 和歌山の別荘ですが、日本ドラマの最高峰『北の国から』で焼失した丸太小屋のようなイメージでしょうか。私は立派な丸太よりも廃屋派です。女性も新品より骨董品に惹かれます。7月下旬、その骨董品をいくつも並べた旧友たちのつどう店で淡谷のり子バージョンの「小雨降る径」を歌います。私のシャンソンデビューです。2017.6.29

  

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