暗く淋しい千秋楽

 群れることが嫌いな一匹狼の私もつねに闘っています。
 言うことを訊かないトマト。
 雨、風、渇水、害虫、乾くと石になってしまう土。
   喧嘩する相手には事欠きません。
 一年目、二年目、と学習してきて三年目の今年こそは立派な答案にしようと思ったのに、苗作りで失敗したようです。トマト苗が大きくならないんです。原因は土か、徒長か、水過多、低温…。複合してると思いますが、一番の原因は徒長かな。寝かし植えですから多少の徒長はいいのですが。そこで最後の賭けをしてみます。このままでは改善が見込めそうにない約百株を畑にもって行き、霜対策の不織布の下で寝かします。細い茎からの発根に一縷の望みを託します。わき芽も無駄にできません。肝心なことは数を揃えることです。数は力なり。一本の糸も絡ませていけばロープになります。小さい農家は個人では出荷しないと訊いています。あなたの好きなデモ隊も、銀行の合併も、理屈は同じなのです。と、まで書いてたところへ噴飯もののニュースが流れてきました。時の人・籠池宅に山本太郎社会党生きた化石(鑑定では雌)、朝日新聞記者など反安部の面々が詰めかけもうすぐ会見が始まるようです。嘘つきは阿部首相か、時の人か。これだから人生って退屈しません。でも、私は一日でいいから退屈な日を過ごしてみたい。2017.3.20

 追伸
 今回の騒動で私には得をしたことが一つあります。昭恵夫人の魅力を知ることができたことです。ただ、「家庭内野党」といわれ沖縄の建設工事反対の市民や脱原発のミュージシャンと交流することもあった彼女の奔放さも、延いては安部晋三の懐の深さです。安部氏はこの騒ぎの中でも九州の方に講演の予定があった妻を「行っておいで」と送り出したそうです。このようないい話の一方で、相撲ファンや解説者の露骨な身贔屓は日本人として、同じ日本人として恥ずかしく思います。あれが一対一の勝負でしょうか。私には何千という観客まで土俵に上がって照ノ富士を負かしたように見えました。稀勢が同じ事をしても言われないのに、照の変化にはブーイング、モンゴルへ帰れ。かって白鵬が苦しんだアウエーという名の道を、この力士も歩むことになるのでしょうか。こう見えても私は病気をしないのが不思議なくらい引きずるタイプです。昭恵夫人には癒されましたが、トマトと、敗者への思いやりを欠いた日本人に痛めつけられて二敗。暗く淋しい千秋楽になりました。