下妻有子

    有子様から一緒に農業をやらないかというラブコール嬉しく思いました。二人だけなら考えますが、他に数名いるとわかってはお受けできません。もともと群れることができない一匹狼です。そこへ共同生活の縛りがつくとなれば猶更です。五年前とある農業塾に通っていた時でも、私は一人だけ浮いていましたし、度量の小さい担任から何度も退学勧告をうけていた嫌われ者です。鶏小屋が写ってる写真を拝見して思い出したのですが、収入といえば鶏卵のみ、糞尿からガスの燃料をつくるという自給自足のライフスタイルに憧れる子が塾にもいました。で、彼は私の標的になりました。味噌や米を作っても、自分で食べるだけでは非生産的なやからというしかない。社会とリンクせず、人に迷惑をかけないかわりに貢献もしていないじゃないかと。つまりあなたのような生き方を私は軽蔑してたんです。ところで、その塾を出て五年が、五十年もたったように感じているモチベーションの著しく低下した私をどうあなたは見誤って声をかけてきたんです?
≫ 見誤ったとは思いませんよ。それに一匹狼だといいつつ裕福な奥様たちとは愉しい午後を過ごしているじゃないですか。「小雨降る径」聴かせてもらいました。参加されても十分やっていけますよ。
 女性とはうまくいくんです、不思議なことに。
≫私たち皆ガールですよ。私が一番若いですけど。
 一番若いは余計だけど、そうですか。日本が危ういのはいいとして、あなたが広告塔になるのは心配です。F.Bで声をかけるのは私で最後にしましょう。

       

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